科博の企画展『貝類展』が2024/11/26~2025/03/02まで開催されています。
貝類展のことは𝕏などに流れてきていて、『人はなぜ貝に魅せられるのか』というサブタイトルは、貝に魅せられたビーチコーマーにとって必見の企画展です! だから、初日に観に行くゾ! と行ってきました~😃
貝類展の入口(中央ホール)奥にはドーンとダイオウイカの実物大?模型が横たわっているのですが、まぁイカも軟体動物ですから「貝類」ですが💧「貝に魅せられた」人の多くは(私も含めて)「貝殻」に魅せられたんだと思うんだけどな~🐚
なので、ダイオウイカはスルーしまして😅
中央ホールの展示で重要なのは…
▼貝類の進化(の系統樹)
👇系統樹の分岐が見えるくらいの大きな画像(上の階から見下ろして撮影)
👆系統樹の右側が貝殻類(単板綱、掘足綱、二枚貝綱、腹足綱、頭足類 )で
左側が有棘類(尾腔綱、溝腹綱、多板綱)です。
その解説に『軟体動物は有棘類と貝殻類の2つのグループに大きく分れると解釈されています』へ~ そうなんだ。軟体動物は8綱に分類されることは知っていましたが、2つのグループ(亜門)に分かれる(という仮説が有力視されている)んですね🧐
で、多板綱が有棘類の方にいるんですが、ヒザラガイってそんなに違う貝類だったの!?
▼エントツガイ
『最も長い二枚貝』『エントツガイは、現生する世界一長い二枚貝といわれています。』👈「世界一長い二枚貝です」ではなく「…といわれています」という書き方が博物館の展示としてどうなのよ?💧
『体は自ら分泌した石灰質の「管」のなかに収まっており、管の長さは1.5メートル以上になります。』この書き方だと(多くの人が)この白い長い「管」が貝殻だと思いますよね? でも、この「管」
世界一長い貝「エントツガイ」を国内初確認 沖縄・西表島|琉球新報には…『殻とは別に長さ1メートル50センチ以上になる棲管(せいかん)と呼ばれる石灰質の管を形成する世界最長の二枚貝類だ。』とあり、この「管」は「棲管」であり、「貝殻」ではないのです!
琉球新報では『殻と軟体部は棲管に入っている』とのことなので、殻は見えないの?
あ、『左から、棲管、軟体部、そして軟体部から外した殻とパレットを展示』という説明があった。
👈殻
あ~現場で説明パネルを丁寧に読まないから💧 エントツガイの殻をシッカリ見てこられなかった。また行こうかな😅
👈パレット って何?
「エントツガイ パレット」で🔍すると…
👉フィリピン,マングローブ林域におけるヒルギフナクイムシ採集と利用|神戸学院大学人文学会 辻貴志(2010)[PDF]
『水管部 に一対の尾栓 (パ レッ ト)があ り,環境が不快なときや活動の休止期に出入水管を引っ込め管口をふさぐ』そうです😱
▼現生する軟体動物門全体の系統樹
あ~これこれ!これを知りたかった。
二枚貝と巻貝は皆さん知ってますよね。ビーチコーミングをするようになって、ツノガイを拾い「掘足綱」を知り、拾うことはないでしょうけど「単板綱」の貝がいて、貝殻の形から推測するに… 殻1枚の単板綱 → 殻が円錐形になって掘足綱 → 円錐形の殻が螺旋状に巻いて腹足綱(巻貝)と進化したのかな~? すると、二枚貝はどこから生まれた(進化した)の❓ というのが長年の疑問🤔
それが貝類展の『現生8綱の関係:貝殻の獲得と進化』によりますと…
『単板綱では1枚の傘型の殻を持つようになり、掘足綱ではそれが筒状となり、二枚貝綱では正中線で分割して2枚の殻となります。腹足綱と頭足綱では貝殻がらせん状となりますが、頭足類の多くでは再び貝殻が失われています。』
そうか~! 掘足綱の筒状の殻が2枚に分割して二枚貝に進化したんですね‼
▼ウロコガイ
小さな貝殻は拡大して見ないとその美しさが伝わりませんから、実物標本とあわせて拡大画像も展示されてるのがイイですね😊
ウロコガイ Ephippodontoana mcdougalli は二枚貝で、二枚の殻を開いて並べると円形になるんですね 〇
▼サツマアカガイ❓
「静岡県城ケ崎」が行ったことのない所だったので撮ってきたのですが…
👆このサツマアカガイ 私が拾ったのと全然違う!👉【サツマアカガイ】千葉・館山…貝殻拾いの旅
「サツマアカガイ」で画像検索すると👈こういう貝ですよ。
これ「サツマアサリ」ですよね。
学名の Periglypta reticulata は「アラヌノメガイ」で、学名も間違ってる。どうしちゃったの?科博さん💧
ちなみに、サツマアサリの学名は Antigona lamellaris です。
「マルスダレガイ上科 Veneroidea」までは合ってるんですけどね。
でも何で「マルスダレガイ科 Veneridae」じゃなくて「上科」で展示してるの? 展示が全て「上科」だったのに違和感を感じた。どこかに「上科」で展示していることの説明があった気もするけど…
▼トゲスズガイ
次に「奄美大島」に行ったときに拾ってみたい貝として撮ってきた😅
鈴のように丸くて小さな貝殻です。棘があるのは右殻だけなんですね。
こちらの画像と説明がよくわかる👉トゲスズガイ|図鑑を作る(二枚貝編)
『泥岩に砕孔して生息します』ということで、殻の彫刻は岩に穴を掘る貝【カモメガイ】と似ていますね。
あ~
トゲスズガイ:ニオガイ上科 スズガイ科
カモメガイ:ニオガイ上科 ニオガイ科
👆「科」だと別物だけど、「上科」だと近縁関係が見えてくる。っていうことがあるのかな?
▼頭足綱(タコやイカの仲間)
『イカやタコでは基本的に8本の腕と、種によっては2本の触腕をもち、貝殻は内在し、タコでは完全に失われています。』
タコは8本、イカは10本という認識でしたが、基本は8本で、+2本の触腕をもつ種もいるってこと?
じゃぁ、10本のタコもいるの?
「タコ 10本 触腕」で🔍したら、Google先生に『タコは腕が8本で、触腕はありません。タコとイカの違いは、腕の本数や吸盤の構造などが挙げられます。』と言われました😅が、
「イカ 8本 触腕なし」で🔍したら、
『マッコウタコイカは、幼少期は10本足ですが、大人になると触腕がなくなり8本足になります。マッコウタコイカはテカギイカ科のタコイカ属に属しています。』
👉イカ?タコ?(マッコウタコイカ)|鳥取県
マッコウタコイカ:頭足綱 鞘形亜綱 十腕形上目 ツツイカ目 開眼亜目 テカギイカ科 タコイカ属
イカなの?タコなの? まぎらわしい生き物ですが「ツツイカ目」だからイカなんですね😅
▼頭足類の標本
みんな足(腕)を上にした標本になってますが、そういう「流儀」なのでしょうか?
1つだけ頭(胴体)が上になってるのがいましたが🐙
個人的に注目の「トグロコウイカ」は…
そっちが上ですね😃
👉常識をひっくり返す! トグロコウイカは殻を上じゃなくて下にして浮遊してた~!
▼フジタギリ
「和歌山県」まだ貝殻拾いに行ったことない。串本・オゴクダに行ってみた~い。
フジタギリ Cinguloterebra fujitai
👉フジタギリ|潮騒の宝箱
イモガイ上科 タケノコガイ科 Cinguloterebra属
へ~ タケノコガイって「イモガイ上科」なんですね。
▼イトグルマ
「高知県」まだ貝殻拾いに行ったことない。
ん、「糸車」の形だね!と思ったが「糸車」で画像🔍すると、ちょっと違う💧
イトグルマ Columbarium pagoda 👈学名で🔍すると…
👉イトグルマ|Wikipedia に「紡績車型」と記されていた。
「紡錘車」で画像🔍すると
👉紡錘車|コトバンクの日本大百科全書(ニッポニカ) の画像が、ん、コレコレ!
『繊維に撚(よ)りをかけ糸を紡ぐ用具。テスリツムとよばれる。』
👉テスリツム|国立歴史民俗博物館
▼イグチモノアラガイ
「北海道稚内市」まだ貝殻拾いに行ったことない。👈どこに行ったら、どんな貝殻が拾えるのかな~? という視点で見ているもので😅
▼カジトリグルマガイ
「台湾」には貝殻拾いに行けないけど、船の舵輪のように、放射状に伸びる棘が美しい~😊
クマサカガイ科ですが、クマサカガイが貝殻や石を棘代わりに自分の殻にくっつけるのに対し、カジトリグルマは自分で棘を生やすので、頑張ってるんだね😅
▼弥生時代のビーチコーマのコレクション
高橋貝塚から出土した貝類。
だいぶブログが長くなって、疲れてきたので💧 あとは、キレイ~✨な貝殻の画像を並べておくだけにします😅
▼ダンスの50貝
『ピーター・ダンスは、大英博物館自然史部門にも勤務していたイギリスの貝類学者で、貝類に関する一般書によって貝類学のすそ野を広げることにも貢献しています。その1冊が1969年発行の「Rare Shells」で、当時珍しくかつ人気のあった50の会を選んで図示・解説しています。
その後、50年以上の年月を経て人気の貝にも変化がありましたが、時代を象徴するものとして特別な扱いを受けています。本店では、海外の博物館の協力も得て、日本で初めて50種すべてを揃えることができました。』👏👏
▼貝類展でレンブラント
『レンブラントは静物画を一切残しておらず、版画でこの1点があるだけです』へ~
描かれているのはナンヨウクロミナシ
Rembrandt のサインもありますね✎
『貝類展』貝に魅せられた私にはとっても楽しめる企画展でした😊
あなたも是非、貝類展を観に行って、貝に魅せられてくださいませ🐚🐚🐚
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