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2014年12月 7日 (日)

岩に穴を掘る貝【カモメガイ】…三浦・岩礁のみち

11/22(土)『三浦・岩礁のみち』で貝殻拾いに行って~剱崎で貝殻を拾っているときに、岩に穴を掘る貝(穿孔貝)の入った岩(泥岩/砂岩)があったので、それを堅い岩の上に落としてみると~ 割れた(^o^)
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「カモメガイ」の貝殻が出てきた~!
へ~カモメガイって岩の中にこんなお部屋を作って暮らしてるんだ~
三浦・岩礁のみちを剱崎からもう少し進んで江奈湾あたりでも、カモメガイが穿孔した岩がごろごろあったので、また割ってみると~(あ、岩を割るって言っても、持ち上げて落とすだけですよ。柔らかい泥岩/砂岩なので、腰ぐらいの高さから落とすだけで割れます。)
Kamomegai141122b
このカモメガイの貝殻をそ~っと取り出して見ていたら、面白いことに気づきました。
二枚貝なのに貝殻がピタッと合わさらず、隙間があるんです。まぁ、岩の中に隠れて暮らしているんだから、二枚の貝殻が全部がピタッと合わさらなくても身を守れるのでしょうけど…
↓こんなふうに二枚の貝殻がピタッと合わさらないんです~
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二枚の貝殻がシーソーのようにギッタンバッコン動くんです。
あ~!そうか!カモメガイはこうやって岩を削っていたのか~
以前、カモメガイを調べたとき…『カモメガイやニオガイの仲間は、殻の前域にあるヤスリ状の部位を用いて、物理的に岩に穴を開け棲息します。』by 葉山しおさい博物館 とのことだったのですが、道具のヤスリは人が手に持って前後に動かすから物が削れますが、カモメガイの殻のヤスリ状の部位をどうやて動かすの?と疑問だったんです。
二枚貝の貝殻って、アサリの貝殻みたいにパカッて開くところをイメージするので、岩の中に入っていたら殻を動かせないよね(^^? と疑問???だったのですが…
そうか、カモメガイは殻を前後に開閉させて岩を削っていたのか~

Kamomegai141122eKamomegai141122f
↑殻を前後に開閉させるため、支点になるところにはもう一つ小さな殻が付いてました~!
この小さな殻は、岩の中に入っていたときは↓赤い矢印の部分です。
Kamomegai141122bm

↓カモメガイのヤスリ状の部分も鑑賞しましょう(^^)
Kamomegai141122g

カモメガイが岩に穴を掘る方法が「発見」できて、ちょっと楽しい(=^ェ^=)
※「発見」とは言っても「推測」で、実際に掘っている/動いているのを「観察」したわけじゃありませんけど(^^;

「カモメガイ ヤスリ」で検索して出てきた…⇒カモメガイ - DASH島によりますと…『貝から出した足を岩に吸着させ、ヤスリ状になっている貝殻の前側で、貝殻を開閉させながら穴を開け奥へ掘り進んでいく。』とのこと。『貝から出した足を岩に吸着させ』というのは、穴の入り口に近い方で足を出して「踏ん張る」のでしょうか?吸盤のように吸着するのとは違うよね?
→あ~!「カモメガイ 吸着」で検索したら…⇒カモメガイ(カモメガイ)とは - コトバンク
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説に…『前部の腹側は活動期には広く開き、ここから円柱状の足を出し、すんでいる穴の底に吸着して体を固定し、殻を動かして穴を掘り進む。』と記載され、その画像も載っていました。へ~この足を出すために殻の前部(穴の奥になる側)には大きな隙間があったんだ~!

さらに、あ~!⇒静岡県/静岡の自然を学ぼう/カモメガイ【貝】によりますと…『貝殻前方には広く隙間があり、そこから円柱状の足を出し、岩に吸着させ、ゆっくりと廻りながら、貝殻前縁の硬い部分で岩を削り、奥へ入ってゆく。』
前後に動かすんじゃなくて『ゆっくりと廻りながら』なんですか~!
じゃ、「ヤスリ」というより「ドリル」ですね(^o^)



※関連記事
岩に穴を掘る貝がいるんですって〜!【イシマテ】
貝殻拾い【イシマテ】【シオツガイ】七里ヶ浜
【ヤエウメ】【カモメガイ】千葉・館山…貝殻拾いの旅

※あ~「穿孔貝」で検索していたら「隆起」という言葉を見かけました。そうそう、潮間帯に生息しているのであろう穿孔貝が、どうして潮上帯にゴロゴロしているのでしょう?と、これも疑問だったのですが、関東大震災とかの大地震で海岸が隆起して、陸上に出た穿孔貝を含む岩が崩れて、海岸にゴロゴロしてるんですね~!たぶん

三浦半島 - Wikipedia には…『関東大震災の折には城ヶ島周辺の広い範囲で海岸線が数メートル隆起している。』と記載されていました。

※「三浦・岩礁のみち」の旅はまだ続きます…
太陽に煌(きら)めく水面(みなも)~三浦・岩礁のみちで
Miura141122q


この記事のカモメガイの画像の一部が、
こちらの本に載ってます。→ 『うみのかくれんぼ』

日本野鳥の会の方からのコメントにヒントを得て、
まとめてみました。→鳥の名前が付いた貝

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貝殻拾い」カテゴリの記事

コメント

はじめて投稿いたします。
興味ある内容を、わかりやすく記述して戴き、ありがとうございます。
日本野鳥の会神奈川支部の会報に「鳥の名前」という連載記事を執筆しています。
2016年9月号に、「鳥の名前が付いた貝」という題で小文を書いており、その中に
カモメガイの写真を掲載させて戴きたいと存じます(紙面の都合で削除されるかも)。
もし不都合がございましたら、ご連絡をお願い致します。
よろしくお願い致します。

カモメガイの棲息状況がよくわかるよい標本を採集されましたね。
また、どの写真もとてもきれいです。私も剣崎でサンプリングしたことがあります。
 実は、私はライフワークとして現生や化石の穿孔貝について調査研究しています。
今年7月1日にホームページ『穿孔貝の詩』を公開しました。ぜひご覧いただいて御感想御意見をいただけますと光栄です。

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