微小貝拾い…イトカケガイ科【セキモリ(関守)】…鎌倉・由比ヶ浜
1/14鎌倉・由比ヶ浜にコメツブウニを拾いに行って、色んな微小貝が拾えました。中でも拾って嬉しい(^o^)イトカケガイ科の微小貝… これまでネジガイ(捻貝)しか拾ったことないので、色んなイトカケガイ科の貝を拾って、同定するのに頭を悩ませています(^^;
その中で、すぐに同定できたもの…
▼セキモリ(関守)
イトカケガイ科の貝は殻に「糸を掛けた」ような縦肋があって、そこがとっても素敵(=^ェ^=)
この縦肋の間に砂粒が挟まっていたのを、ルーペ越しにマチ針でツンツンして取り除いたのですが…
あ~! 砂粒が1個残ってた~(^^;
あ、それより、このイトカケガイ科の貝は何? ですが、一般に細く円錐状のイトカケガイ科の貝に比べて、これは「ふっくら」してます。だから「セキモリ」だって、簡単に調べて確認できた一品。じゃなくて「逸品」(^_^)v
もう一つ拾ってまして…
あ~!こっちは穴開いてた~(^^;
10ミリに満たない微小貝なので、デジカメで撮った画像を見て初めて気づくこともある。
2個拾ったセキモリの大きさは↓
白地の紙に白い貝殻を置くと、見えにくいですね。
黒地の紙に白線の方眼用紙ないかな~?
ところで、セキモリは「関守」のようなのですが、なぜ「関守」という名前になったの?
「関守」で画像検索すると、石を縄で十字に結んだ画像が出てくる。「関守石」と言うらしい。『茶庭で露地の飛石の岐路に置いて、通行止めの標識とする石。』だそうです。
ふっくらした貝の縦肋を、関守石の縄に見立てて セキモリ(関守)なんですね。たぶん。
この貝の形を「関守石」に見立てるという発想は現代人には無いでしょうから、名前の由来は『目八譜』を当たれば出ているのでしょうか?
⇒目八譜 15巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
の第八巻 百三九 関守 ありました~
江戸時代の貝類図鑑で漢字カナ混じりの文は…
『石壽之形捻介ニ似テ短ク殻不厚唇外ヘ反リ厚ク縦〼』←読めない漢字が出て来るし~
目八譜の解説文は多くが『石壽之形 ~ ニ似テ』で始まってる。
『石壽』はどうも貝殻のことらしいのですが、目八譜を著したのが
⇒武蔵石壽 - Wikipedia
(むさし せきじゅ)『貝類図鑑「目八譜」の著者で日本貝類学史上特筆される人物である。』
『天保14年(1843年)78歳になった武蔵石寿は遂に15巻13冊からなる大作 『目八譜』 を完成する。』←お~!拍手~
LIXILギャラリーの「ニッポン貝人列伝」に武蔵石壽が出てこなかったのはなぜ?
あ~武蔵石壽の貝殻コレクションが残っているわけじゃないから、展示するものがないのか。
ところで、『武蔵石壽』という名前と、『石壽之形 ~ ニ似テ』という解説文。自分の名前を貝殻にしてしまったの?
あ、Wikipediaによりますと…『幼名は釜次郎、後に孫左衛門と改める。名は吉恵。号は石寿、翫珂亭。』…「石壽」は号だったのですね。←なんで「号」と言うのかと思っていましたが『号(ごう)とは、称号の略』なんだ~
「関守」を調べていたら、『目八譜』武蔵石壽 に行ってしまったので、セキモリに戻りまして…
セキモリを色んなアングルから観賞して、おしまい。
※関連記事
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コメント
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これは、かわいくてきれいな貝ですね!
目八譜、初めて見ました。八巻のp.73に関守がありますね。
「石壽之」は、「石壽云」で、「石壽は以下のように言う」ではないでしょうか。
目八譜の絵は本当に精彩できれいですね。絵も石壽さんが描いたのでしょうか?
由比ヶ浜、昨年暖かい時期に行って、ほとんどボウズでしたが、冬に行くと良さそうですね。
貝に名前をつけて後世に残すって、いい仕事ですね。昔の日本、いいですね。
投稿: かさぶた | 2020年3月20日 (金) 20時15分