『日本の貝 629種』を手に取ったら「あとがき」を是非読んでください
ネイチャーウォッチングガイドブック
温帯域・浅海で見られる種の生態写真+貝殻標本
日本の貝 629種
髙重博 解説&生態写真, 武井哲史 標本写真
ほぼすべての種について海中の生態写真と標本写真を掲載!というスゴイ本です。
貝殻拾いしてると時々「この貝、生きてるときはどんなんだろね~?」と思うことがあるのですが、それがこの本で見られるんです。そして、写真はどれも美しいです。
「うわぁ~スゴ~イ! 生きてるとときの姿はこんななんだ~」と楽しめます。
私が気になった1ページ…
「イイジマフクロウニヤドリニナ」が
「イイジマフクロウニヤドリニナ」と「フクロウ」に反応してしまい、
貝の名前に「フクロウ」がつくのあるんだ~! と思いましたが、
あ、「イイジマ フクロウニ ヤドリニナ」ね。フクロウじゃなかったのね(^^;
ところで、この後のページに…
オーストンフクロウニヤドリニナ
カシパンヤドリニナ
ヤツヒトデヤドリニナ
タコノマクラヤドリニナ
ガンガゼヤドリニナ
…と続くのですが、「ヤドリニナ」って棘皮動物に寄生する貝なんですか~! この本を読んで知りました。
「フクロウニ」は『硬い殻をもたず、上下に平たくて、いくらか変形可能な革袋状の殻をもつ』ウニなんだ~。それじゃウニ殻として拾えることはなさそうですね。と思ったら、漁労屑から拾ってる人がいた~
⇒フクロウニ | hiroimono
え!フクロウには宇宙怪獣ゼブラにも寄生されてるんですか?
⇒宇宙怪獣ゼブラ!? | hiroimono
このカニ面白~い(^o^)
⇒ウニに潜む迷彩ガニ ゼブラガニ(ゴカクガニ科)Zebrida adamsii|長崎・五島列島 福江島の博物誌
あ、本「日本の貝」に戻りまして…
「シロハリゴウナ」の解説には…『水深10m以深の砂底に生息する。夜間に砂底で這っている姿が見られる。』…ということは、この生態写真を撮るために、夜間水深10m以深の砂底に潜って撮影したってことですよね!
日本の貝 629種の標本写真と生態写真を見て、解説を読んで、あ~面白かった(^_^)と
「あとがき」を読んだら…(一部抜粋)
『しかし再度、普通種の撮影を試みると、過去10年を振り返るだけでも、多くの貝類が激減している事に気が付きます。過去の撮影データを参考に、同シーズン同じ場所へ調査に行っても目的の貝は見つかりません。
海の中で何が起きているのか? ・・・』
みなさま、この本を手に取ったら、是非「あとがき」を読んでくださいませ。
この本に出ている貝の生態写真が「過去のもの」となってしまわないようにするにはどうしたらいいのか? 考えさせられます。
※関連記事
・サイエンスアゴラ2016『タカラガイのストラップを作って知る生物多様性』で出展してきました~
・大和市・夏のおもしろ科学館2017でタカラガイのストラップを作った子…250人!
・タカラガイ・ブック(改訂版)は緑・黒
・『美しき貝の博物図鑑』…同じ種でもこんなにバリエーションがあるんだ~!
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