【トグロコウイカ】の殻…石垣島 貝殻拾いの旅で拾った逸品
石垣島 貝殻拾いの旅に行って拾ったレアもの初物の貝殻のイチオシが…
トグロコウイカ(Spirula spirula トグロコウイカ科)です。
トグロコウイカ - Wikipedia によりますと
『深海性のイカの一種。トグロコウイカ目唯一の現生種である。体内にアンモナイトのような殻を持つことが特徴である。』
で、トグロコウイカの体内のどこに殻があるかというと~
↓ここ
わ~w(*゚o゚*)w
体内にくるくる巻いた殻をもつイカがいるなんて! 面白~い(^o^)
え~、上の画像は小さなトグロコウイカの殻を大きく載せてますが、
私が拾ったトグロコウイカの殻の大きさは…小っちゃい。
長径:12mm、短径:10mm
口径:6mm
拾った日:2020/06/23(貝殻拾いの旅4日目)
拾った場所:石垣島 電信屋跡のビーチ
ところで「電信屋跡」って何?
⇒石垣島・電信屋跡 - 沖縄観光・沖縄情報IMA
ん~歴史を感じる場所です。『元海底電線陸揚室』なんですね。
沖縄戦で砲撃を受けた痕が生々しく残っている画像がこちらのページに…
⇒石垣島の戦跡4 元海底電線陸揚室|管理人のうちなーライフかりゆし日記
このブログ名の「かりゆし」って何?
⇒沖縄の言葉「かりゆし」って何?人々が持つ沖縄の心とは
ふ~ん、そうなんだ。
あ、トグロコウイカに戻りまして(^^;
トグロコウイカの殻を鑑賞しましょう。
螺旋の中心部は欠けちゃってます。ちょっと惜しい。
それより、白ウサギの耳みたいに生えてるものは何でしょう?
これは、エボシガイが付着しているようです。
トグロコウイカの殻の殻口を見ると、塞がってる。
でもこれは巻貝の蓋とは違う。内側に湾曲しているし、
さらによく見ると…
小さな穴が開いてますよ!
この穴については記事の終わりの方で…
石垣島 貝殻拾いの旅の3日目(トグロコウイカの殻を拾う前日)に「石垣島 貝殻 おみやげ」で画像検索すると「貝殻いっぱい!」画像が多数出てくる貝殻のお店『まるわおみやげ店』に行きました。
まるわおみやげ店の様子はこちらのブログに詳しく出てます。
⇒南の島の理科室みたいなお店、「まるわおみやげ店」。@石垣島
⇒石垣島の貝殻屋さん|波と風の音を聴きながら~
ここの貝殻はほんとにすごかった! 見てるだけで楽しいのですが、欲しくなる。
「貝殻は自分で拾う」のが基本ですが、自分では拾うことできないよね~と思うものから、いくつか購入。
その中の一つが ↓コレ
トグロコウイカの殻を買ってました。
これは自分では拾えないよね~ と思って買ったのに、
次の日に自分で拾った~!って(^o^;
ラッキーですよね。二つを比べて見ることできるから(^^)v
買ったものの方が大きい。中心部まで巻いていて欠けがない。なかなか良い状態です。
大きさは… 20mmほど
では「まるわおみやげ店」で買ったトグロコウイカの殻を鑑賞~
殻口のところを伏せるように置いたら… 立った~!
光にかざすように撮ると…
螺旋の曲線美~(*゚o゚*)
そこに見える縞模様は?
トグロコウイカの殻は、オウムガイの殻と同様に、隔壁によって仕切られた気室になっているのです。
縞々は隔壁と気室がいくつも並んだもの。
そして、殻口を見ると…
殻口を塞いでいるのは、隔壁の一つなのでした。
そして、隔壁に開いている小さな穴は?
《あうるの森サイエンスラボ》に見せたら…
「これは連室細管の穴だよ~!(*゚o゚*)!」と興奮気味
「オウムガイとアンモナイトにも連室細管あったでしょ」って、私はそこまで覚えてませんけど(^^;
トグロコウイカ - Wikipedia の「殻」には…
『浸透圧調節によって殻内部の液体を出し入れし、浮力を制御する[5] 。この殻は他のイカ類には見られないもので、内部に空洞があり、腹側に巻く[5] 。螺層は外れ、連室細管はその内側を走る。』と「連室細管」のこと書いてありますね。
Wikipediaのトグロコウイカの図では「連室細管」は下記の赤く示したところになります。
石垣島 貝殻拾いの旅から帰った6月24日、自宅に漂着物学会会報『どんぶらこ Vol.66』が届いてました。
そして、【報告】トグロコウイカ(頭足類)の死殻がオーストラリアのフリーマントルの浜に多数漂着 (久保田 信)という記事があり、『わが国沿岸には稀にしか漂着せず、1965年から2019年までに16例しかない(湊 1965; 寺本 2019)』とのこと。わ~!そんなレアものを拾っちゃったんだ! と、ビックリ! そして、私はラッキーだったんだね(^o^)v
※トグロコウイカ - Wikipedia には…『深海性のため生体の発見は稀である。だが体内の殻は軽くて頑丈であり、死後に軟体部が腐ると殻だけが海面に浮上することになる。そのため熱帯・温帯の海岸で、打ち上げられた殻がよく観察される。』とのこと。
あ、学会誌への報告例が少ないってことか。
「トグロコウイカ 漂着」で検索しても…約 596 件と少ない。
その中のこの記事…
⇒トグロコウイカが降りてきた! : Beachcomber's Logbook
愛知県田原市赤羽根で2012年7月に拾ってますね。
トグロコウイカとの出会いの感動が伝わってきます(笑)
※関連記事
2014/07/18 ビーチコーミング…三戸浜で【コウイカの甲/イカの骨】
※参考リンク
トグロコウイカ/頭足類の殻については
⇒貝の博物誌 > 1.貝類の形態と分類 > 頭足類(Cephalopoda)> 貝殻|東京大学総合研究博物館
「連室細管」については《あうるの森サイエンスラボ》の
⇒オウムガイの浮力調節は「浸透圧」による|正多面体クラブ
さらに《あうるの森サイエンスラボ》から追加情報…
「おみやげで買った方の中心に丸いポッチがあったでしょ。
それが初期室だよ~!」とのこと。
「初期室」って何?
「初期室」で検索すると… ん~(^^;
⇒アンモナイト/オウムガイ…球状の初期室をもつ/もたない|正多面体クラブ
あれ? オウムガイは初期室をもたないのでしょ。トグロコウイカが初期室をもつということは、トグロコウイカはアンモナイトに近いの?
「トグロコウイカ 初期室」で検索すると…
⇒アンモナイトはどのような生物であったか :: 化石の美と科学によりますと
『アンモナイトのらせん状に巻いた殻の中心部分には、初期室と呼ばれる球状の部分(直径1mm以下)があります。 同じような初期室はトグロコウイカや化石イカ類の殻にもありますが、オウムガイにはありません。これはアンモナイトがオウムガイよりもイカに近縁である証拠の一つです。』
※2020/10/27追記
世界初!かもしれないトグロコウイカの生態動画がツイートされて、twitterがざわついています。
何と言っても、え!そっちが上なの~😲
OMG! Ok, I don't want to get too excited...but according to several squid experts, this may be the FIRST VIDEO OF A LIVE RAM HORN SQUID! While these squid have many extinct relatives, they're the only ones left of thier kind & have a spiraling shell!
— Open Ocean Exploration (@RebeccaRHelm) October 27, 2020
🎥@SchmidtOcean #DailyJelly pic.twitter.com/0Lv6ESvYNI
上記のツイートを翻訳すると…『ああ、神様!さて、私はあまり興奮したくありません...しかし、いくつかのイカの専門家によると、これは生きたラムホーンイカの最初のビデオかもしれません!これらのイカには多くの絶滅した親戚がいますが、彼らはこの種の残された唯一のものであり、らせん状の殻を持っています!』
ラムホーンイカ RAM HORN SQUID は「羊の角のイカ」で、トグロコウイカですね(^o^)
トグロコウイカ - Wikipedia には『殻が浮力を持つため、通常は頭を下にした姿勢を取る[5] 』とされ、たぶんみんながそう思ってたんです💧
ところが… 実際には頭が上だっとという衝撃の事実!
あれ? Wikipediaの『様々な発達段階の幼生』の図は、頭・足が上で、殻は下ですよ~!
イカのイラストを見ると、そのほとんどが足が下です。多くの人がイカはこっち向きと思ってるのに、『様々な発達段階の幼生』の図で足が上に描いてあるのは何らかの観察によってそうしたんですよね?
改めて、文献の記述を鵜呑みにするんじゃなくて、実際に観察して見ることの重要性を再認識しました。
この動画の0:12~トグロコウイカの体がちょっと膨らみ、下の方へパッと姿を消すのは、水を吸い込んで漏斗から水を噴き出し、一瞬にして捕食者から身をくらませているんですね。
なるほど! 殻が上で頭が下だと捕食者から逃げるときに、明るい方に逃げて捕食者にターゲット・ロックオン状態になり、水面近くに追い詰められて食べられちゃう💧 のですが、下に逃げれば、暗い方に逃げて捕食者から逃れる可能性が大きい。つまり、頭が上で体を縦にして浮遊しているのは、とっても理にかなった(進化によって獲得した)形態なんですね~
トグロコウイカの殻の漂着記録を漂着物学会誌に投稿して掲載されました~
その関連記事:常識をひっくり返す! トグロコウイカは殻を上じゃなくて下にして浮遊してた~!
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