【アラスジケマンガイ】は【ホソスジイナミガイ】の シノニム(異名)
ブログ記事:沖縄 貝殻拾いの旅(恩納村・仲泊ビーチ~)にアラスジケマンガイを載せていたのですが、
『こちらの記事でアラスジケマンガイと書かれている二枚貝ですが、ホソスジイナミガイではないでしょうかね。』とコメントをいただきました。
ん~ そうかも。と、調べてみたら…
その道程(同定)が意外と長くなったので、別ブログ記事としてここに記しておきます。
⇒「アラスジケマンガイ」で画像検索
⇒「ホソスジイナミガイ」で画像検索
ん~ 画像を見比べても違いが分かんないよ~(´Д`)
アラスジケマンガイは「ケマンガイ」の「荒筋」版で、
ホソスジイナミガイは「イナミガイ」の「細筋」版なんですよね?
どれも「マルスダレガイ科」の「ホソスジイナミガイ属」⇒市場魚介類図鑑参照
色んなページの解説を読み、日本近海産貝類図鑑の解説を読んでも、私が拾ったのはどっち?
分かんないよ~(´Д`)
ホソスジイナミガイとアラスジケマンガイの違いを比べて解説してるページはないものでしょうか?
「ホソスジイナミガイ アラスジケマンガイ 違い」で検索してみたら…
⇒ホソスジイナミガイ潮騒の宝箱 -貝殻- - FC2 に
『tumidum RÖDING, 1798 アラスジケマンガイを本種の異名とする意見があります。』と書かれていた。
それと、
⇒Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) ホソスジイナミガイ|BISMaL に ↓こう出ていた。
これ、アラスジケマンガイ は ホソスジイナミガイ の synonym ということですよね。
synonym:シノニムとは?
⇒シノニム - Wikipedia
『生物の命名法におけるシノニムとは、同一と見なされる分類群に付けられた学名が複数ある場合に、そのそれぞれをいう。ある学名がシノニムであると言う場合、一般的な文脈では「正しい」学名ではないという意味を包含していることが多いが、命名規約の上では「正しい」学名もシノニムに含まれる。』
BISMaL- ビスマル - Biological Information System for Marine Life は JAMSTEC(海洋研究開発機構)の関連サイトで、私が貝の科名を調べるならココ!と利用しているサイトです。
このサイトの情報は信頼できるものですが、ネットの情報は必ず複数のサイトで確認しておきましょうね。
でも、日本語のサイトには他に目ぼしい情報が無かったので、そういう時は英語で検索…
(私、英語は苦手なのですが、検索できてしまうのがインターネットの凄いとこ)
BISMaLで…
Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) ホソスジイナミガイ
Gafrarium tumidum Röding, 1798 アラスジケマンガイ
…と学名があったので、
「Gafrarium pectinatum tumidum synonym」で検索
BISMaL以外に要約が日本語で表示されるページがありました。
⇒Gafrarium tumidum Röding, 1798 - GBIF
このページに次のように表示されていました。
↑これより…
Gafrarium tumidum Röding, 1798 アラスジケマンガイ は
Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) ホソスジイナミガイ のシノニムであることが分かります。
あとは、このサイトの信憑性を確認しておく必要があります。
このページのトップに「GBIFについて」のリンクがある。
⇒GBIFとは何か?
『GBIF-地球規模生物多様性情報機構は、地球上のあらゆる種類の生物に関するデータを誰でも、どこにでも、オープンアクセスで提供することを目的として、世界中の政府から資金提供されて設置された国際的なネットワークであり、研究のためのインフラストラクチャーです。』
お~ なんか凄いサイトですよ!
⇒「GBIF」で検索
「GBIF」は Global Biodiversity Information Facility なのですね。
日本語のWikipediaに「GBIF」は無いので、英語のWikipediaで…
⇒Global Biodiversity Information Facility - Wikipedia ⇒このページを訳す
…十分信頼性のある権威あるサイトですね。
ということで、BISMaL と GBIF 、2つの生物学分野で権威あるサイトで確認しましたので、
「アラスジケマンガイ」は「ホソスジイナミガイ」の シノニム(異名)である。
という結論になりました。
※日本近海産貝類図鑑 の「アラスジケマンガイ」と「ホソスジイナミガイ」にはシノニムの記載はなく、別種の扱いなんですけど~・・・
でも、これだけ調べた結果だから、シノニムだよね。
「日本近海産貝類図鑑 シノニム」で検索すると…
オゴクダの貝 日本近海産貝類図鑑第二版のコメントに
『シノニムやどうして種名が変わったかなどもまったく触れられていないし、リファレンス(参考文献)はなし…。 』という不満点の書き込みがありました(^^;
あ~そうだ、ブログ記事:沖縄 貝殻拾いの旅(恩納村・仲泊ビーチ~)のアラスジケマンガイの記載は~
『ホソスジイナミガイ(シノニム:アラスジケマンガイ)』としておきます。
あ、それと…
ホソスジイナミガイの学名 Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) は「分類学の父」と称されるリンネ(Linnaeus)の命名なんですね。だったら、リンネ先生に敬意を表して、「アラスジケマンガイ」ではなく「ホソスジイナミガイ」と記しておかなくては!(^o^)
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