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2020年6月 3日 (水)

【アラスジケマンガイ】は【ホソスジイナミガイ】の シノニム(異名)

ブログ記事:沖縄 貝殻拾いの旅(恩納村・仲泊ビーチ~)アラスジケマンガイを載せていたのですが、
Nakadomari181122g Nakadomari181122g2
『こちらの記事でアラスジケマンガイと書かれている二枚貝ですが、ホソスジイナミガイではないでしょうかね。』とコメントをいただきました。
ん~ そうかも。と、調べてみたら…
その道程(同定)が意外と長くなったので、別ブログ記事としてここに記しておきます。

「アラスジケマンガイ」で画像検索
「ホソスジイナミガイ」で画像検索
ん~ 画像を見比べても違いが分かんないよ~(´Д`)
アラスジケマンガイは「ケマンガイ」の「荒筋」版で、
ホソスジイナミガイは「イナミガイ」の「細筋」版なんですよね?
どれも「マルスダレガイ科」の「ホソスジイナミガイ属」⇒市場魚介類図鑑参照
色んなページの解説を読み、日本近海産貝類図鑑の解説を読んでも、私が拾ったのはどっち?
分かんないよ~(´Д`)
ホソスジイナミガイとアラスジケマンガイの違いを比べて解説してるページはないものでしょうか?
「ホソスジイナミガイ アラスジケマンガイ 違い」で検索してみたら…
ホソスジイナミガイ潮騒の宝箱 -貝殻- - FC2
『tumidum RÖDING, 1798 アラスジケマンガイを本種の異名とする意見があります。』と書かれていた。
それと、
Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) ホソスジイナミガイ|BISMaL に ↓こう出ていた。
Gafrarium_pectinatum
これ、アラスジケマンガイ は ホソスジイナミガイ の synonym ということですよね。
synonym:シノニムとは?
シノニム - Wikipedia
『生物の命名法におけるシノニムとは、同一と見なされる分類群に付けられた学名が複数ある場合に、そのそれぞれをいう。ある学名がシノニムであると言う場合、一般的な文脈では「正しい」学名ではないという意味を包含していることが多いが、命名規約の上では「正しい」学名もシノニムに含まれる。』

BISMaL- ビスマル - Biological Information System for Marine LifeJAMSTEC(海洋研究開発機構)の関連サイトで、私が貝の科名を調べるならココ!と利用しているサイトです。
このサイトの情報は信頼できるものですが、ネットの情報は必ず複数のサイトで確認しておきましょうね。

でも、日本語のサイトには他に目ぼしい情報が無かったので、そういう時は英語で検索…
(私、英語は苦手なのですが、検索できてしまうのがインターネットの凄いとこ)
BISMaLで…
Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) ホソスジイナミガイ
Gafrarium tumidum Röding, 1798 アラスジケマンガイ
…と学名があったので、
「Gafrarium pectinatum tumidum synonym」で検索
BISMaL以外に要約が日本語で表示されるページがありました。
Gafrarium tumidum Röding, 1798 - GBIF
このページに次のように表示されていました。
Gafrarium_tumidum_synonym
↑これより…
Gafrarium tumidum Röding, 1798 アラスジケマンガイ は
Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) ホソスジイナミガイ のシノニムであることが分かります。
あとは、このサイトの信憑性を確認しておく必要があります。
このページのトップに「GBIFについて」のリンクがある。
GBIFとは何か?
『GBIF-地球規模生物多様性情報機構は、地球上のあらゆる種類の生物に関するデータを誰でも、どこにでも、オープンアクセスで提供することを目的として、世界中の政府から資金提供されて設置された国際的なネットワークであり、研究のためのインフラストラクチャーです。』
お~ なんか凄いサイトですよ!
「GBIF」で検索
「GBIF」は Global Biodiversity Information Facility なのですね。
日本語のWikipediaに「GBIF」は無いので、英語のWikipediaで…
Global Biodiversity Information Facility - Wikipediaこのページを訳す
…十分信頼性のある権威あるサイトですね。

ということで、BISMaL GBIF 、2つの生物学分野で権威あるサイトで確認しましたので、
「アラスジケマンガイ」は「ホソスジイナミガイ」の シノニム(異名)である。
という結論になりました。

日本近海産貝類図鑑の「アラスジケマンガイ」と「ホソスジイナミガイ」にはシノニムの記載はなく、別種の扱いなんですけど~・・・
でも、これだけ調べた結果だから、シノニムだよね。
「日本近海産貝類図鑑 シノニム」で検索すると…
オゴクダの貝 日本近海産貝類図鑑第二版のコメントに
『シノニムやどうして種名が変わったかなどもまったく触れられていないし、リファレンス(参考文献)はなし…。 』という不満点の書き込みがありました(^^;

あ~そうだ、ブログ記事:沖縄 貝殻拾いの旅(恩納村・仲泊ビーチ~)のアラスジケマンガイの記載は~
『ホソスジイナミガイ(シノニム:アラスジケマンガイ)』としておきます。

あ、それと…
ホソスジイナミガイの学名 Gafrarium pectinatum (Linnaeus, 1758) は「分類学の父」と称されるリンネ(Linnaeus)の命名なんですね。だったら、リンネ先生に敬意を表して、「アラスジケマンガイ」ではなく「ホソスジイナミガイ」と記しておかなくては!(^o^)



コメントをいただきましたので、改めて「アラスジケマンガイ ホソスジイナミガイ シノニム」で🔍してみましたがこのページがトップに出てきてしまうので💧
“Gafrarium pectinatum tumidum synonym”で🔍して…
Gafrarium pectinatum|Wikipedia
Gafrarium pectinatum, also known as Gafrarium tumidum, is a species of the genus Gafrarium in the family of Veneridae, order Veneroida in the bivalve class. They are edible clams. WoRMS believe the latter is the synonyms of the other one, but malocologist from Taiwan distinguish the two from the patterns of their shells”
この文をGoogle先生の翻訳と、DeepLの翻訳を参考に訳すと…
『ホソスジイナミガイ(Gafrarium pectinatum)は アラスジケマンガイ(Gafrarium tumidum)としても知られ、二枚貝綱マルスダレガイ目マルスダレガイ科のガフラリウム(Gafrarium)属の種です。食用の二枚貝です。WoRMS は後者を同義語としているが、台湾の軟体動物学者(malocologist)はその貝殻のパターンから両者を区別しています』
WoRMSとは…『海洋生物種の学名と分類学的情報に関するデータベースを構築する大規模な国際プロジェクト』
World Register of Marine Species

ん~ Gafrarium pectinatum(ホソスジイナミガイ)と Gafrarium tumidum(アラスジケマンガイ)のゲノムDNAが同じだからシノニムになったのか?までは分らないのですが、ゲノムDNAが同じで環境によって表現型が変わっているのだとしたら、別々の環境に生息するホソスジイナミガイとアラスジケマンガイを採取して、同じ環境で育てたら、子どもは同じ形質になるのでしょうか?

※ところで、Gafrarium pectinatum|Wikipedia の“malocologist”をGoogle先生は「腫瘍学者」と訳したんですが、何かおかしいな? と
“malocologist”で検索すると…
次の検索も可能: malacologist と出てきて
malacologist は『軟体動物の研究を専門としている動物学者』=「軟体動物学者」でした。
つまり
“malocologist”は
“malacologist”のtypoでした。
※ネットの情報をコピペして引用していると typoに気づくこと度々😅

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コメント

はじめまして。考察、楽しく読ませていただきました。
シノニムの記載をする貝殻ブロガーさんは珍しいですね。
当方沖縄に住んでいたことがあるのですが、アラスジケマンガイとホソスジイナミガイは見るからに形、厚さ、筋の入り方等が違うので、誰でもパッと見で違う貝と認識すると思います。
なので異名だったとしても、違う和名がついているのには納得です。
また、ホソスジイナミとアラスジケマンは採れる場所にも大きな差があります。そのような生態の差、ビジュアルの差からも、日本では違う貝とされているのではないでしょうか。

こはさん、コメントありがとうございます。
あ、こはさんは「貝がら拾ったら調べよう♪」の人なんですね!🙂
> 見るからに形、厚さ、筋の入り方等が違うので、誰でもパッと見で違う貝と認識すると思います。
> また、ホソスジイナミとアラスジケマンは採れる場所にも大きな差があります。
あ~そうなんですね。私が沖縄に貝殻拾いに行ったのはまだ1回だけなので、経験値が足りません😅
ゲノムDNAが同じでも環境によって表現型が変わって、それに別々の和名がつけられたのでしょうか。
改めて「アラスジケマンガイ ホソスジイナミガイ シノニム」について調べて、ブログ本文の方にちょっと追記しました。

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