貝殻拾い【アサヒキヌタレガイ】@富津岬
貝殻拾いに行って拾った貝殻を未同定のまましまい込んでいるのがいくつもあるので、ときどき貝殻を引っ張り出して
「あ~これ!なんだろね~?」と同定を試みて、一つ分かったのが…
日本近海産貝類図鑑によりますと…
『SL:25mm. 殻は薄いがよく膨らみ, 円筒形. 殻頂は後方により, 靭帯は外在して後位. 殻皮は黒褐色で光沢があり, 前方には黄褐色の放射帯がまばらに現れる. 内面は青白色. 北海道南部から九州・台湾の潮間帯から水深約20mの砂泥底.』
『SL:25mm』になるようですが、私が拾ったのは…
SL:10mm 小っちゃい🙂
ところで SL って 殻長(Shell Length)かな?
『殻は薄いがよく膨らみ, 円筒形. 殻頂は後方により, 靭帯は外在して後位』
👆よく膨らんでいます。画像の左側が後ろなんですね。靭帯は外側に出っ張ってます。
『殻皮は黒褐色で光沢があり』
殻皮が殻より伸びているから「絹垂れ」なの?
『前方には黄褐色の放射帯がまばらに現れる』
👆これ「まばら」?
アサヒキヌタレガイ(朝日衣垂貝)の「アサヒ」は、この放射帯を朝日に見立てたのでしょうから。
※アサヒキヌタレガイの放射帯のような朝日の画像 ⇒旭日旗|外務省
※ところで「朝日衣垂貝」で画像検索しても、アサヒキヌタレガイの画像は出てこなかった😅
「アサヒキヌタレガイ」で🔍して、参考になったページ
⇒アサヒキヌタレガイ|アマモ場の生きもの図鑑
『【生息環境】アマモ場の砂泥底』
私がこのアサヒキヌタレガイを拾ったのは富津岬で、アマモ場があるから、なるほど~
でも、アマモ場の水深 2~3m と『潮間帯から水深約20mの砂泥底』が、ちょっと「そんな深い所にも生息してるの?」と思うけど…
『【コメント】本種はアマモ場でも外海に近い潮通しの良い砂泥底に生息する。もう少し内湾の淀んだ泥質寄りのアマモ場ではキヌタレガイが生息する。どちらも体内に化学合成細菌を共生させ還元環境に生息している。』とのことで、アマモを食べているわけではないのか。
「還元環境 アマモ場」で🔍したら
⇒18K05695 研究成果報告書|国立情報学研究所
『アマモ場の土壌は硫酸還元菌、嫌気性細菌、硫黄細菌などの. 硫黄代謝に関与する微生物種の占有率が非アマモ区の底質よりも約1.4倍高いことが示された。』 ふ~ん。色んな環境に生物は生きているんだね~
アサヒキヌタレガイは絶滅危惧種なの?
⇒アサヒキヌタレガイ Solemya japonica (Dunker)|愛知県:絶滅危惧II類
⇒虹ヶ浜から<2007年6月>|平塚市博物館
あ~!色んなもの拾って、その画像を載せてて面白い😃
しかも、ウチワヤワコケムシとフサコケムシも拾ってる!
虹ケ浜👈そのうち行ってみようかな。そういえば私、鵠沼海岸より西側~小田原の間の海岸にビーチコーミングに行ったことがない💧
アサヒキヌタレガイの学名は BISMaL では Acharax japonica (Dunker, 1882) となっていますが、
GBIF では
Acharax japonica (Dunker, 1882) はシノニムで、
Solemya japonica Dunker, 1882 がアクセプトされた学名となっています。
👆属名だけの違いですね。
Solemya属はキヌタレガイなども属してますね。
BISMaLのキヌタレガイ科の分類ツリーをまとめて見ると👇こうなりますが、
アサヒキヌタレガイは Acharax属、Solemya属 どっちなの?
『日本近海産貝類図鑑 第二版』では…
Pseudacharax japonica (Dunker, 1882) となってました💧
Acharax属でも Solemya属でもありませんよ! 困った😅 しかたないから、もう少し🔍
「Pseudacharax japonica」で検索すると…
⇒Solemya (Pseudacharax) japonica Dunker, 1882|World Register of Marine Species のように出てきました。
ん~ 属名に ( ) が付いてるってことは、最初は Pseudacharax属 だったけど、後に Solemya属に変わったってこと?
「学名 属名 カッコ」で検索すると、
『命名後に属名が変わった場合は、はじめの命名者名(動物の場合、出版年号も)を … 丸括弧に入れて表記する。』by 学名|命名者表記|Wikipedia
あ~これは命名者表記のことだから、属名の ( ) は何でしょうね? だぶん Pseudacharax属 → Solemya属 に変わったのでしょうね。
BISMaLで🔍すると『"Pseudacharax japonica"に一致する分類群情報はありません。』と出てくるし💧
ということで『日本近海産貝類図鑑 第二版』のアサヒキヌタレガイの学名 Pseudacharax japonica (Dunker, 1882) は、属名が違うみたいです。
ん~ 図鑑の情報も(ネットの情報と同様に)複数の情報ソースで確認する必要があるね😅
#アサヒキヌタレガイ でTwitter🔍しても、まだ「あうるの森」のツイートしか無かったので💧
「キヌタレガイ」でTwitter🔍したら、👇このツイートが出てきました!
キヌタレガイだと思いますが、活発に泳ぐのでびっくりしました。 pic.twitter.com/fpIpVZ2D01
— 眼遊 GANYU (@ganyujapan) July 24, 2022
キヌタレガイって泳ぐんですね‼ ビックリ😲
⇒キヌタレガイ|コトバンクに
日本大百科全書(ニッポニカ) 「キヌタレガイ」の意味・わかりやすい解説 で次のように記載されていました。
『殻皮は滑らかな褐色の殻皮で覆われ、それが殻の縁を越えて伸びる。足には大きく平たい足裏ができていて、水を殻内から強く噴き出し、泥の上を跳ぶように移動する。…[奥谷喬司]』
あ~ やっぱりキヌタレガイは泳ぐんですね!
そして👆の動画を見て思った。キヌタレガイ(衣垂貝)の「衣垂」は殻皮の方じゃなくて、殻からビロ~ンと出ている白い足が「衣垂」なんですね。しかも、白い「衣垂」足を震わせて水を推し出しているのかと思ったら、白い「衣垂」足は進行方向前方にありますね。水を殻内から強く噴き出すときに白い「衣垂」足は何の役割をしているの???
さらに「アサヒキヌタレガイ」でTwitter🔍したら…
こんなのや👇あんなのが👇 うわぁ~😲
2016年2月2日に三崎の湾内で採集されたアサヒキヌタレガイ Solemya japonica Dunker, 1882 と思われる個体です。腹側の外套膜が癒合していることが観察できます。本種は、殻を激しく開閉することで遊泳することが知られています。#相模湾 #SagamiBay#MarineInvertebrate pic.twitter.com/kPcXjmVgwq
— みさきのうみしだ (@Crinoidea_hk) May 9, 2021
これも眼遊さんから同時にお送り頂いたアサヒキヌタレガイ。せっかくの生貝なので辺縁が鋸歯状の足を出した様子を撮影したいと考えたものの、ずっと殻に閉じ籠ったまま、一瞬出てきてもすぐに引っ込んでしまう繰り返しで、丸3日間粘ってようやく撮れました。 https://t.co/HgqWErDOAD pic.twitter.com/jcvEU0HVt7
— 軟体動物多様性学会【公式】 (@SocStudMollDiv) April 23, 2023
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