アザミじゃなくて【キツネアザミ】は、なぜ 狐?(和名の由来)
『らんまん植物図鑑』の植物リストを毎週記録していて、らんまん植物図鑑に出てきた植物で「あうるの森」に載せていたものは、その画像を載せて記事へのリンクを張っている。ところが、第10週「ノアザミ」に出てきた植物はブログに載せていたものが1つも無かった💧 毎週5種の植物でブログに載せてたのが1つも無いというのは寂しいので、アザミはこの前 三鷹市大沢の里で撮ってるから、それを急遽ブログに載せましょうか~😅 と、アザミの画像を見ていたら…
👇これ「ノアザミ」?
「ノアザミ」の画像検索結果と見比べると何か違うんだよね。アザミにもいろんな種類があるから、これは何アザミ?
Googleレンズで🔍したら…
キツネアザミでした。
キツネアザミ|Wikipedia によりますと『和名は、花がアザミに似ているが、アザミではないことから』 あら、そうなの😅
さらに 『これは牧野富太郎によるらしく、牧野(1962)は「アザミに似るがよく見るとそうでな」くて「狐に騙されたよう」に感じるからと書いている』 それで「キツネアザミ」なのね。
ノアザミ|Wikipedia によりますと『和名ノアザミは、「野アザミ」の意味で、アザミはこの仲間の植物(アザミ属)の総称である』 そして、キツネアザミはキツネアザミ属で、アザミ属ではないから、アザミではない。ということになるんですね😅
キツネアザミ|Wikipediaの形態・生態と照らし合わせておきましょう。
『茎は真っ直ぐに立ち、往々にして上部で多く枝を出して高さ60-80cmに達する。』
『葉は長さ10-20cmで柔らかく、葉の裏面には白い綿毛が密生している。』
花ばかり撮って、葉を撮ってない💧 まだまだ精進が足りません😅
『頭花は紅紫色の筒状花からなる。総苞片に突起がある。花期は4月 - 6月頃。枝の先端に多数の頭花をつける。』…さらに細部の説明が続きますが、そこまでの子細な観察は来年に持ち越し😅
アザミに似るがよく見るとそうでなくて狐に騙されたように感じるから「キツネアザミ」という説明は面白くて分りやすいのですが、キツネアザミ|Wikipedia:和名についてには『彼は牧野の説明を「全く珍妙で、少しも納得がいかない」と切り捨て、…批判している』 とのことで、それを詳しく調べている記事がありました。
⇒キツネアザミの名前の由来「植物名の由来」中村 浩 (著)が見つかりました。牧野富太郎への愛弟子の造反はあったのでしょうか?|みちくさ図鑑 👈この記事を読むと、『切り捨て、…批判している』ようには感じられませんね。納得できる別の説明を提案しています。
『江戸時代には、この草はキツネアザミとはよばれず 「キツネノマユハケ」とか「マユハケアザミ」とよばれていた』
「マユハケ」は「眉掃」で江戸時代の化粧道具⇒画像🔍
『その花の姿が 狐毛の掃に似ていることから、キツネノマユハケとよばれ、またその花がアザミに似ていることからマユハケアザミとなり、転じてキツネアザミになったものと思う』 なるほど~!
あとは草木図説などで「キツネノマユハケ」「マユハケアザミ」の記載を確認できれば、かなり納得できますね🙂
👇眉掃(マユハケ)に似てる~
「キツネノマユハケ」+「マユハケアザミ」-「マユハケ」⇒「キツネアザミ」となったようですが、
町田天満宮 宮司の徒然 其の106|タウンニュースに書かれていましたが『せめてマユハケは残してほしかった。』 👈そう思う。
『植物名の由来』中村浩著👈読んでみました。
「あとがき」より…
牧野富太郎先生について植物採集を行うようになってからも、執拗なまでに植物名の由来を尋ねたものである。先生は、とにかく答えて下さったが、わたしは納得しかねると食いさがった ものである。この本でも、恩師である先生に対し、造反とも思える異説を主張してきたが、先生がもし在世しておられたら微笑みながら“ああ、そうか、そうか、そうかもしれないな”と賛同して下さることも少なくないと自負している。わたし自身は決して反逆の弟子だとは思ってはいない。
私も“ああ、そうか、そうか、そうかもしれないな”と賛同します!
世の中に流布している和名の由来の中には、私にも納得しかねるものが色々あるから。
例えば「スミレ 由来」なんて『花の形が大工さんの使う墨壺(別名墨入) に似ているので、「すみいれ」の「い」が省略されたものといわれています。』
👆このどこが墨壺(墨入)に似ているの? と納得しかねていました。
『植物名の由来』には…『スミレは旗印の隅入れに由来する名』と説明されています。
⇒隅取紙(すみとりがみ)とは|コトバンク👈この図ならスミレの花をイメージできるよ~😊
※和名の由来の関連記事
2022/03/18 【イヌノフグリ】の命名者は牧野富太郎ではない!
2022/03/13 【ハチジョウツグミ】の名前の由来は【八丈紬】の赤褐色から
2021/06/13 貝の和名【ワスレガイ】
2021/03/27 春の紫色の菜の花【ムラサキハナナ/オオアラセイトウ】…なぜ「大紫羅欄花」?
2024/04/15 スミレの名前の由来は「墨壺」じゃなくて旗印の「隅入れ」
« 【ノヂシャ】道端に小さな白い花がいっぱい咲いていた~ 葉をサラダとして食べられ、そして『ラプンツェル』 | トップページ | 『らんまん植物図鑑』の植物リスト(一覧) »
「草花実」カテゴリの記事
- トケイソウ(時計草)の花の構造が面白い@昭和記念公園(2024.07.02)
- パッションフルーツの“passion”は「情熱」じゃなくて「受難」(2024.06.27)
- 【クチナシ】の香りに深呼吸~@武蔵野公園(2024.06.23)
- 蚤の綴り【ノミノツヅリ】…春の道端の小さな花(2024.04.16)
- スミレの名前の由来は「墨壺」じゃなくて旗印の「隅入れ」(2024.04.15)
「てくてく野川」カテゴリの記事
- 蚤の綴り【ノミノツヅリ】…春の道端の小さな花(2024.04.16)
- 春の道端の薄紫じゃなくて濃い紫の【スミレ】Viola mandshurica(2024.04.14)
- 繁茂する【オオフサモ】が美しい~ けど侵略的外来種(2024.04.06)
- 春の野川で【カワセミ】のカップル? じゃなくて、縄張り争い中(2024.03.16)
- 春の訪れを告げる小さな青い花【オオイヌノフグリ】【イヌノフグリ】【フラサバソウ】は クワガタソウ属(2024.02.20)
« 【ノヂシャ】道端に小さな白い花がいっぱい咲いていた~ 葉をサラダとして食べられ、そして『ラプンツェル』 | トップページ | 『らんまん植物図鑑』の植物リスト(一覧) »
コメント