貝殻拾い【ウマノアゲマキ】か【キヌタアゲマキ】か? 和名の由来は? @由比ヶ浜
ちかごろの由比ヶ浜に行っても「貝殻あんまりないね~💧」なんですが、4/19(土)に行ってきました。土日の鎌倉は人が多いから、貝殻拾いに行くなら平日の方がいいんですけど、「海おく」=『海からの贈りもの展』やってるから、「海おく」ついでの貝殻拾い&鎌倉観光😅
この日の由比ヶ浜は、いつもよりはチョッと打ち上がってた。
そこで拾った小さいけどキレイな二枚貝が…
▼ウマノアゲマキ(キヌタアゲマキ科)
拾ったときは「ウマノアゲマキ拾った~😃」と喜んでたんですよ。
でもブログを書くにあたって、いつものように科名を確認しようと BISMaL で「ウマノアゲマキ」を🔍したら…『"ウマノアゲマキ"に一致する分類群情報はありません。』💧
え!「ウマノアゲマキ」が無い? 日本近海産貝類図鑑には「ウマノアゲマキ」載ってますよ。
👉ウマノアゲマキ|潮騒の宝箱 の画像とよく似てるし。でも解説を読んだら『キヌタアゲマキガイの異名となっていますが…』
あら、ウマノアゲマキ は キヌタアゲマキ(キヌタアゲマキ科)のシノニム(異名)なんですか!?
ウマノアゲマキの学名 Solecurtus dunkeri で GBIF🔍すると…
👉Solecurtus dunkeri Kira, 1959
『~のシノニム Solecurtus divaricatus (Lischke, 1869)』となっており、「11 座標ありのレコード」は日本だけです。
※ウマノアゲマキ Solecurtus dunkeri Kira, 1959 は、Kiraさん=吉良哲明(貝人列伝の一人)が記載したんですね。
ウマノアゲマキはキヌタアゲマキのシノニムのようですが、キヌタアゲマキを画像🔍すると、私が拾ったのと雰囲気が違う。(アラスジケマンガイとホソズジイナミガイのときは 画像を見比べても違いが分からなかったのですが💧 今回は何か違うと感じる)
先ほどの
👉ウマノアゲマキ|潮騒の宝箱 によりますと『キヌタアゲマキガイの異名となっていますが本種は殻頂部が前方に偏り、キヌタアゲマキに見られる後背部の石灰の付着が見られません。』とのこと。
他にも
👉キヌタアゲマキ|図鑑を作る(二枚貝編)
ウマノアゲマキは『キヌタアゲマキに比べ、幅が狭く後方の石灰の沈着はほとんどありません。
その部分は、くの字状のはっきりとした肋となります。』
👉三重県総合博物館所蔵 貝類コレクション -シオサザナミ科・キヌタアゲマキ科-[PDF]
『殻高が大きく,後背部に石灰が沈着して分枝状彫刻が不明瞭になる個体をキヌタアゲマキとし,ウマノアゲマキSolecurtus dunkeri Kira, 1959(次種)と区別してリストアップした.
ウマノアゲマキは,キヌタアゲマキに比べて殻が細長い形の個体をもって記載された.この形質は連続するため両種を区別ができないとされたが(波部,1981),本コレクションの中で,後背部にある彫刻が明瞭に隆起する特徴を有する個体は,この名でリストアップした.』
…ということで「後背部に石灰が沈着」するか/しないかが識別ポイントの一つらしいのですが、それどういうこと?誰か図解して~
こういうシノニムか否かの微妙な問題の調べものはこの辺までにしときまして😅
お気楽ビーチコーマーは別の視点で貝殻を楽しみましょう😊
とりあえず「ウマノアゲマキ」ということで、まずは貝殻鑑賞~
海辺で見つけたときが一番キレイ✨
いろんな海藻ごみの打ち上げの中から「お宝」を探すので、見つけたときが一番テンション上がりますね😃
帰ってから、洗って、干して、撮ると…
拾ったときの様に✨キラキラしてないんです💧
薄い貝殻が透けて見える様に撮るには、貝殻が濡れていて直射日光の下で撮らないと✨キラキラにならないみたい。
でも、合弁のウマノアゲマキだから、色んな角度から撮影~📷
👆👇『後背部にある彫刻が明瞭に隆起する特徴』が撮れました😊
貝殻鑑賞したら、次は「和名の由来」の🔍です。
「キヌタアゲマキ」
「ウマノアゲマキ」どちらも「アゲマキ」とつくので、ここから🔍
👉アゲマキガイ|市場魚貝類図鑑
『渚ノ丹敷(1803年享和3年 曾永年)より岩川友太郎。アゲマキは有明海周辺での呼び名。「あげまき」とは古く子供の髪型のひとつ。髪を左右で分けて角状に巻き上げたもの。この2つの角状のものがアゲマキガイのふたつの水管に似ているためだろう。広辞苑』
…ということで、「あげまき」は漢字で「総角」
「総角 あげまき 髪型」で画像🔍 👈あ~!みすず学苑の広告の髪型だ~😂
総角(あげまき)の例として聖徳太子を挙げているのを幾つか見かけたので、
👇聖徳太子二王子像
👆聖徳太子は大人なので総角(あげまき)ではないけど、二王子は子供なので総角(あげまき)です。
👇王子の総角(あげまき)とウマノアゲマキの画像を並べて見る…
👆似てる!かも?😂
私的にはこれで十分納得できるのですが、しかし・・・
先ほどの👉アゲマキガイ|市場魚貝類図鑑で『この2つの角状のものがアゲマキガイのふたつの水管に似ているためだろう。広辞苑』とあった。
他にも👉アゲマキガイ (蟶貝)|改訂新版 世界大百科事典|コトバンク
『アゲマキは2本の水管が殻の上につきでているのを古代の子どもの髪形総角(あげまき)(角髪(つのがみ))に見たてた名である。』執筆者:波部忠重
あら、貝人列伝のお一人の波部忠重がそう記しているなら、これは無視できませんね💧
でも、アゲマキの水管が総角に見える?
アゲマキの水管は「アゲマキガイ バター焼き」で画像🔍すると、その形がよく分ります😅
でも、アゲマキの水管は髪型の総角(あげまき)には見えないよね~
しかし、・・・
『総角(あげまき)は、主に古代日本(特に古墳時代から奈良時代)の子供の髪型で、角髪(みずら)とも呼ばれます』とのことで、
「総角 角髪」で画像🔍した中に…
👉【装束小ネタ】みづら篇~古代美豆良表現の変遷、続・美豆良と総角、謎の『ひさごはな』|逆名|posfie
この記事の中に『大日本国開闢由来記』に歌川国芳が描いた大国主の画像があり、
その画像の𝕏ポストが👉『大日本国開闢由来記』に歌川国芳が描いた大国主|逆名@sakana6634 👈あ~頭の上に2本の角が立ってるような髪型ですよ! これならアゲマキの水管に似てるかも😅
ん~🤔「アゲマキ」の由来は古代の髪型の総角(あげまき)ですが、その見立てが 水管なのか? 貝殻なのか? これ以上深掘りしてる時間は無いので、おしまい💧
では次の「キヌタ」の🔍
👉キヌタアゲマキ|市場魚貝類図鑑
『岩川友太郎の命名。アゲマキ(ナタマメガイ科)に似ていて、民具の砧に似ているため。砧(きぬた)は布をたたき、皺を伸ばしたり、布を軟らかくする道具。』
こんな形👉「砧」画像🔍
ん~🤔 チャイロキヌタ(茶色砧)もそうなんですが、「砧」に見える?
で、最後に「ウマノアゲマキ」の「ウマ」なんですが、これは「ウマノアゲマキ 貝 由来」で🔍して…
👉形も色もちょっとユニーク! 来年の干支・ウマにちなんだ貝の展覧会 兵庫・西宮市貝類館|産経ニュース(2013/12/18)
『干支の午は方角では南にあたるため、ウマノアゲマキのように南洋に生息する貝に「ウマ」と名付けられることが多かった』そうです。👈あ~!これは面白い😃
👇高尾山薬王院の方位石
👆南が午(ウマ)ですね。🧭
ちなみに「正午」の由来は、太陽が南中する時刻で、十二支の「午」の刻の中央で「正午」です。🕛
あ、拾ったウマノアゲマキの大きさが分る画像を載せてませんでした。
👇どれも 20mmちょいで、小さいです😊
※関連記事
2017/10/09 貝殻拾い【ウマノキヌタアゲマキ】…千葉・館山・休暇村前
👆「ウマノキヌタアゲマキ」は日本近海産貝類図鑑には載ってません💧
この記事では(たぶん)と書いてます😅
2017年は貝殻拾い5年生で、日本近海産貝類図鑑を買ったのは6年生のときでした。
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